山椒大夫の幼児教育

8歳の娘:安寿と、7歳の息子:厨子王の育児や教育、受験・進学を通じて感じたことを書きます。

子供と一緒に囲碁を習うことについて

子供の囲碁教室で、子供の親も一緒に囲碁を習うことについて思うことを書いてみます。

 

私と子供二人は約半年前から囲碁を始めました。中学生までの子供用の囲碁教室で母親である私も同席させてもらうこともあれば、大人向けの碁会所と同時並行で子供もいるような場所にも行ったことがあります。親子とも20~30級です。

 

大人にとって、幼稚園児や小学生と戦って負けるという体験はなかなかありません。大人には無意識のうちに「大人のほうが子供よりも優れているべき」という思い込みがあります。自分の腰より下ぐらいの背しかない子供にボロボロに負けるというのは、かなり衝撃です。

 

「ぐんぴぃ」という方が、中学生の時にルール覚えたてで大会に出て、幼稚園児に大敗し、その屈辱から囲碁をやめたという体験談があります。

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囲碁を知っている人からすれば、年齢じゃなく経験の差なのだから、そりゃ当然だよとなるだけですが、ネット上では面白エピソード扱いされており、一般人からしたら意外だということだと思います。

 

初心者は、その場の思い付きで打っていたらいつの間にか負けていた、先生に「この場面でこうすれば良かったんですよ」と言われても、そんな局面あったっけ?となり、反省もできず何の手ごたえもないという段階があると思います。なんだか分からないまま、とにかく目の前の小さい子供に負けたという事実だけがあります。

 

子供の初心者に対しては、あまり一つ一つの手について解説したり終局後に検討したりするよりは、対局数をこなして慣れていけというような感じがあるかもしれませんが、大人にとってはひたすら走り込みをさせられている感じで、今後何をどうしていけば成長できるのか分からないとつらい面もあります。

 

優れたお子さんたちは、大人の初心者が相手でも、表立って対局を嫌がったりはしません。それどころか「ここはこうすれば良かったんですよ、でもお上手でしたよ!」などとおっしゃってくださいますが、こちらからしたら、お相手の時間を取ってしまって申し訳ないと、いたたまれないときがあります。

お強い子供さんにお相手頂いたとき、「え、これ本気でやっちゃっていいの?」とつぶやかれたことがあります。「も・・・もちろん、やっちゃって!おばちゃん負けても泣かへんから!」と返しましたが・・・言葉にはしないお子さんでも、こちらの手が止まると、「え、この人大丈夫かな・・・」とこちらをチラチラ見てこられる視線が痛いです。

 

さらには、大っぴらに、私との対局を拒否する子供さんもいます。子供教室に同席していると、先生が気を使って対局を組んでくださることがあり、「○○ちゃん、××ちゃんのママと打ってみようか!」と促してくださるのですが、「えー、絶対イヤ!」と言われます。

 

すると次々他の子にも連鎖して、私もイヤ!私だってイヤ!となり、さらには私の子供との対局すら拒否されるようになります。○○ちゃんからしたら、××ママが同じ空間にいる状態で××と対局するのは、勝っても負けてもストレスなのでしょう。イヤと言える空気を作ってしまうと連鎖します。

 

特に子供の囲碁教室に同席だけさせて頂いて、大人用の料金は支払っていない場合、先生としても、正式な生徒ではない××ちゃんママとの対局を強要することもできず、結局、おとなしく言うことを聞く一部のお子さんを大人にあてがうということになりますが、そのお子さんが自身の親に「××ちゃんママと誰も打たないから僕が打った」というようなことを伝えたら、先生の立場がどうなるのか・・・などと心配にもなります。

 

 

恐らく、「大人が弱くて、子供さん達が勝てる状態」よりも、「大人が少し強くなって、子供が負ける可能性もある」状況になると、さらに対局相手を探すのは難しくなると思います。子供にとって、大人を相手にするストレスに加え、負けるかもしれないストレスが加わるからです。大人がさらに強くなり、子供に指導的な対局ができるようになればいいのかというと必ずしもそうではなく、先生でもない人に負かされて偉そうに何か言われたということになると、囲碁の世界をあまり知らない場合には、快く思わない親御さんもいるかもしれません。

 

子供さんたちは大変着手が早く、大人がついていこうとすると大変疲れます。脳が煮えるような感じがします。また子供・大人混合で対戦相手を組むと、子供どうしの対局は早々に終わり、大人が入った対局だけ時間がかかって終わらず全体のペースが崩れることがあります。

 

とはいえ、幅広い年齢層の人間と接する機会になるというのは、囲碁の魅力の一つであり、子供さんたちにとっても様々な人と触れ合うメリットはあるかもしれません。と、信じたいです。

 

勝ち負けだけにこだわらない雰囲気づくり、置石やコミを調節していただくなどして大人にも子供にも不公平感がない環境づくり、といったことになるかと思います。