山椒大夫の幼児教育

8歳の娘:安寿と、7歳の息子:厨子王の育児や教育、受験・進学を通じて感じたことを書きます。

親の立場から見る「アナと雪の女王」

安寿が幼稚園で「ありの~ままで~」の歌を友達から習ってきて、クリスマスプレゼントにアナ雪DVDが欲しいというので、用意した。食わず嫌いで私自身は見たことがなく、2013年の公開から6年たってやっと見ることになった。
素晴らしい映画だと思った。感動した。明らかに今までのディズニープリンセスとは違う意図で作られている。王子様を待つのではなく、自分で考え、戦う。真実の愛があれば救われるという場面で、アナは王子様にキスしてほしいと自分からせがむが、実は悪者だった王子に裏切られる。姉が悪党に殺されそうになっているところを身をもって守ろうとしたとき、呪いが溶けて命が助かる。つまり真実の愛とは、自分が姉を思いやる気持ちであり、他人から愛されることではなく、自分が相手を愛することによって呪いが溶けたのだと。
エルサは、触れるものを氷にする・超能力で雪や氷を操るという力を持っていたが、コントロールが難しく他人を傷つける可能性もあるということで、能力を隠すことを両親に強いられ、幽閉されて育てられる。人前に出ざるを得ない戴冠式の日に、案の定爆発してしまい、人々から魔女だと追いかけられ、一人僻地に逃げ、自分だけの城を築き、一人で生きて行こうと決める。もう国のことは知らない、私はここで独りで気楽に生きていきたい・・・と言う。紆余曲折あって、結局、人と交わり、自分の異能を平和利用して生きていくことになるのだが・・・要するに親の教育の失敗である。人と違うところがある子供をどう育てるか?能力を表に出し、自国を守るための戦力として使うこともできたはず。平和利用もできたはず。普通に近づけることばかりを考えていた両親が間違っているのである。

しかも、エルサとは無関係のアナまで、友人を与えず幽閉していた。エルサの能力を生かす方向にいくか、無理なら僻地にいさせてアナを女王にするように手配するのが、親の姿だろう。幽閉されたにしては、アナは初対面の男性とも話ができ、十分すぎるコミュニケーション能力を持っているようだ。この映画で、アナよりエルサが好きという人はいるのだろうか?

アナは、自分をだましていた王子を捨て、貧しく身分はないが誠実な青年といい仲になるが、普通ならこの青年と結婚してめでたしめでたしのはずが、アナ雪2でもまだ結婚していないらしい。このあたりも今までのディズニーや一般の童話にはなかったところだろう。